富山と言えば、ます寿司だよねーと答える人も多いのではないでしょうか?
全国駅弁フェア的な催しではお馴染みですし、私と同世代の方は、桃太郎電鉄なんかでバット工場と並んで有名ですね。
今日はそんなます寿司について。
出典:ウィキペディアより
こんなに全国でも有名だから、さぞ県民食なんだろうと思われがちですが、私はほとんど食べません!年に数回ですね。
とはいえこうやって富山にUターンしてきて、ます寿司について聞かれる事も増えました。
ます寿司を作っている会社は40社以上と言われているので、その全てを一気に紹介はできませんが、食べたものから紹介させていただこうと思います。
と言うわけで記念すべき第1回は関野屋さん。
さて、何故第1回が関野屋さんなのか。
それは過去の記事でちょこっと触れたのですが、理由は材料にあります。
ちょっとややこしい話になるのですが、ます寿司って言うくらいだから、当然材料になる魚は鱒なんでしょ?って思いますよね。
その通り鱒です。
では次の質問です。
ます寿司と言えば冒頭の写真にもある通り、綺麗なピンク色の身が特徴ですよね。同じピンク色の身の魚と言えばサケ!
じゃあマスとサケの違いは?
…
わかります?
では答え合わせですが、怒られるのを覚悟で書くと「よくわからん」ってのが答え。
…
どちらも明確に定義されていないようです。
ただ、1つだけはっきりしているのはどちらも学術的には「サケ亜科サケ属」って分類の魚になるようです。言い換えればサケ=マスとも言えるようです。
だんだん複雑になりますよー
つまりサケでます寿司を作っても、ます寿司と呼べるという事になります。
その証拠にます寿司の原材料欄は、こんな記載になってます。
一部に「さけ」を含む。
酒じゃ無いですよ。鮭の方です。
「さけ類」と記載のある会社さんもいます。
じゃ結局、ます寿司は昔からサケの押し寿司なのか?
それもどうも違うようです。
諸説あるのですが、昔はマスといえば「サクラマス」、サケといえば「シロザケ」を指していたそうです。そのままであれば誰も混乱しなかったのですが、北海道を開拓したり、漁業の進歩、研究、さらには地方の呼び方などなどで「カラフトマス」や「ニジマス」「アオマス」「ベニマス」「ギンマス」など新たなマスが発見、食されるようになります。さらに岩手では「カラフトマス」を「サクラマス」と呼ぶなど、マスが本来のサクラマスだけを指す言葉ではなくなってきました。
そこへ来て誰が言い出しっぺかわかりませんが、「マス」より「サケ」の方が高級感あるんじゃない?って事で「ベニマス」は「ベニザケ」に「ギンマス」は「ギンザケ」に呼び名が変わったり、大きさの違いで「トキザケ」やら「目近ザケ」も登場します。
でもって海外からは、サーモンやら、トラウトやらサーモントラウトという呼び名のものまで。
こーなるともうマスもサケもひっちゃかめっちゃかです。
と言うわけで、現代ではマスの定義が非常にあやふやになってしまっています。
出典:ウィキペディアより
さて、話を元に戻して、じゃあ結局ます寿司の材料はなんていう魚なのか?
答えは「サケ亜科サケ属の魚」としか答えられないのであります。別に上手いんだから、なんていう魚だって良いじゃないのよー
って声が聞こえてきそうですし、私自身そう思います。
だけど数あるます寿司屋さんの中で、なんていう魚を使っているのかをはっきりさせている会社がいくつかあります。その1つが今回紹介する「関野屋」さん。
ちゃんと書いてあります。
「さくらます(サケ科、北海道産)」
えー
それは表記の違いだけなんじゃないのー?
って話かもしれませんが、他社さんで「さくらます」表記のます寿司と、「ます」表記のます寿司の両方を作っている会社があります。
これ以上は書きませんが、「ます」表記のます寿司がどんな魚かは、ここまで読んでいただければなんとなく推測できるのでは無いでしょうか?
と言うわけで関野屋さんは、昔の「マス」の定義に倣ってサクラマスのます寿司を作っていると言うわけです。ただ、さくらますのます寿司だから、普通のます寿司より美味しいかどうかは、皆さんの好みもあるので別の話です。
さて関野屋さんのます寿司ですが、まずパッケージが個人的に好きです。
白いご飯の上に、ピンクのサクラマスが載っているます寿司を綺麗に表現した包装ですよね。店先の暖簾や、箸袋も全てこの2色のデザインで統一されてます。
そして開封するとこんな感じです。
中には桶に入った本体とお手拭き、箸、プラのナイフと説明書が入っています。
説明書にちゃんと、さくらますへのこだわりが書いてありますね。
食べ方もちゃんと書いてあります。
説明書通り、竹の抑えを外して桶をひっくり返します。ます寿司と言えばこの綺麗な笹が特徴ですが、食べもしない物なのに、綺麗な物を集めて使う心意気って本当に素敵だと思います。
さて本来ならこのままナイフで切り分けますが、早く綺麗なさくらますの身が見たかったので、笹を数枚めくってみます!
おおー
綺麗なピンク色!
このままかぶりつきたい気持ちを我慢して、切り分けます。
ご飯の量、サクラマスの身の厚みなどは他社さんとそんなに変わらない感じかな?
で、食べてみての感想ですが、柔らかい!味もちょうどよく全体的にとても優しい感じのます寿司です。サクラマスの身も噛まなくて良いくらい柔らかいし、酢飯の押し具合もそんなに強く押してない感じです。人によっては食べ応えが無いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、優しい感じが私はとても気に入りました。
とはいえ、同時に別の会社のます寿司を食べたわけではないので、あくまで主観と曖昧な過去の記憶との比較での感想である事をご注意願います。
最後にもう一つ注意があります。
ます寿司屋さんには全て漢字の「関野屋」さんと平仮名の「せきの屋」さんがあります。
また駅弁屋さん全てに「関野屋」さんのます寿司があるわけではありません。
どうしてもサクラマスにこだわりたい時は、店員さんにサクラマスのます寿司をください!
って言ってください。ちゃんと「関野屋」さんか、他社さんのサクラマスのます寿司を教えてくれるはずです。
では今回の関野屋さんのます寿司についてはこの辺で。先ほども書きましたが40社を超えるます寿司屋さんがあります。
またブログで他社さんも紹介させていただきますね。ではまたー