前々回の続きですが、古民家改修の実測にBIMを使うメリットのその2とその3。
2019/06/15
古民家とBIM。
最新の作図技術と一世紀以上以上前の建物のコラボレーション。
にも関わらず以下3点で相性が良さそうです。
①全ての図面が連動
②入力できる情報量が多い
③建物全体をきちんと記録できる
関連してるのでまとめて行きます。
「入力できる情報量が多い」「建物全体をきちんと記録できる」の2点。
これも前回に引き続きイメージにするとこんな感じ。
上図のように複雑な形状の物を記録する場合、2次元図面ではいくつかの図面の追加が必要になります。一方でBIMの場合3Dで記憶していくため、図面を追加する必要がありません。
新築の建物の設計においては作るのに必要な場所だけ描けば良いんじゃないか?って話もありますが、今回は図面のない古民家を改修するため、現状を正確に把握しなければ先に進めません。また、改修前はどんな建物だったのかを記録として残しておいた方が後々有用な気がします。そんな状況から必要な場所だけ図面を描くだけでは不十分なわけです。
そしてもう一点「BIM」と言うのはBuilding Information Modelの略なんですが、真ん中に「Information」がある通り、情報を「沢山」そして「正確に」持たせられるのが1つの特徴です。
部材の素材は?大きさは?色は?いつ作ったの?といった情報を記録できます。
もちろん今までだって図面の中に文字や色分けでそう言った情報は記録できました。でもそれはあくまで「線」の横に「併記」していただけで、「線」が情報を持っていたわけではないのです。一方でBIMは「線」が情報を持っています。ちょっとテイストが今までと違いますが、イメージで書くとこんな感じでしょうか?
ポテチのバーコードがBIMの情報。商品が並んでいる棚に付いてる値札やポップがCADの情報です。
バーコードは情報を持っていますし、値札やポップにもいっぱいの文字や色で情報が書いてあります。同じ情報ではありますが、商品そのもののに情報が書いてあるのと、横に「併記」されているという違いがあります。この違いがBIMと2次元CADの違いとよく似ています。例えば情報の量。システムに沢山の情報を記憶させれるバーコードに対して、値札やポップでは紙面の大きさに依存せざるを得ません。また値札は商品の場所を移動して、値札を移動し忘れた!なんてミスも起こり得ます。さらにバーコードは在庫管理や売上の管理など必要な情報だけを表示したり、それらをリスト化することだって可能です。
ちょっとイメージなので分かりにくいかもしれませんが、図面の中でも同様の事が起きています。ただ、この辺りは実測段階での恩恵より、改修設計を始めてから真価が発揮されるので、また今後紹介させていただきますね。
というわけでBIM(Revit)を使って実測をじゃんじゃん進めますが、平面図は概ね出来上がりました。
これより先は建物の引き渡し後に天井や床を外して、隠蔽部を露わにしないと進まなくなってきましたので、ちょっと細かい部分を入力していきましょう。
なかなかそれっぽくなってきましたね~
では今日はこの辺で。