とやまらいふ

富山にUターンした82年生まれ男子の富山の魅力発信と古民家改修ブログ

古民家をBIM(Revit)で入力する①

説明ばっかりで実測進んでるの?

なんて声が聞こえてきそうなのでここらで作図作業の途中経過を報告。

というわけで今日は一番古い母屋の図面を紹介しますが、今回は従来のCADを使った作図では無く、BIM(Revit)を使います。

BIMってなにー?

って人は過去の記事(Revit用パソコン! - とやまらいふ)でも似たような事を書いてますが、簡単に言うと、パソコンの中に本物そっくりの3Dモデルと図面を“同時に”作っちゃえるパソコンソフトの事です。でもってRevitと言うのはそのソフトの商品名になります。

というわけで、あくまで現時点ではありますが、古民家実測におけるBIM活用で気づいた事と作図の経過を報告したいと思います。

2019/06/15

古民家とBIM。 
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最新の作図技術と一世紀以上以上前の建物のコラボレーション。

にも関わらず以下3点で相性が良さそうです。

①全ての図面が連動

②入力できる情報量が多い

③建物全体をきちんと記録できる

では行きます!

まず母屋全体を図面にするとこんな感じになります。

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あれ?別にいつもと一緒じゃ無い?って思いませんか?

そうなんです。

図面として見た場合は今までと何も変わりません。

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違うのは上のような平面の図面を描くのと同時に、パソコンさんがこんな展開図とか

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こんな3次元モデルを自動で作成してくれるという事なのであります。

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本物と見比べてもこんなにそっくり!

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今までの設計作業は、平面の図面を描いて、それから立面の図面を描いて、さらに断面も描いて、それからやっと3次元にしてと、立体にするのに非常に長い時間がかかってました。

それがBIMを使うと一気に全部できちゃうんです。

凄くないですか?

分かりやすいようにイメージにしてみました。厳密には少し違うのですが、従来の2次元CADとBIMをイメージで比較するとこんな感じです。

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要するに我々が立方体を紙で作るように、2次元の展開図を立体にしていく方法が従来の作図方法。その逆で立体を先に作って、それを展開して図面にする方法がBIMの作図方法です。この方法のおかげでとても多くのメリットがあります。しかも古民家の実測の作図をBIMでやってみて思うのは、BIMがめちゃくちゃ古民家の実測向きだって事。

なぜかというと

①全ての図面が連動

②入力できる情報量が多い

③建物全体をきちんと記録できる

の3点。

一個ずつ解説します。

①全ての図面が連動

またまたイメージで描くとこんな感じなのですが、BIMはとにかく変更に対する作図の効率の良さが段違いです。

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こちらもイメージではありますが、今までは2次元図面をすべて変更することで立体の形を変えていました。ところがBIMではいきなり立体を変形させます。あとはさっきと同じでその形を展開して図面にするだけです。今迄みたいにたくさんの図面を同じように直さなくてよいのです!

特に古民家の実測には誤差がつきものです。

同じ柱でも上と下で微妙に大きさが違ったりします。どっちの数字が正しいかは元々の図面がない限り誰も答えを知りません。結果、他の場所との辻褄が合う方にしていかざるを得ないのですが、微調整がいっぱい必要です。そしてそれを従来のように関係図面全てでやっていくのは非常に大変です。

それがBIMであれば全部の関係図面が自動で直ってくれます。

一般の人からしたら不思議かもしれませんが、建物の設計図は辻褄が合っていない(これを不整合って言ったりしますが)事がよくあります。平面図には窓が無いのに、立面図にはあるとか…

BIMではそれがシステム上起こり得ないんです。と言うわけで1つの目のメリットは図面同士の辻褄合わせがすこぶる楽チンという事。

次に2つ目と行きたい所ですが、ちょっと読むの疲れませんか?

書くのは疲れました。

と言うわけで2つ目以降は次回!