とやまらいふ

富山にUターンした82年生まれ男子の富山の魅力発信と古民家改修ブログ

実測開始と最初のハードル「通り芯」

2019/04/11

通り芯(基準線)を決める 

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まずは基準となる通り芯を決定します。

ここで間違うと後からの修正が結構大変です。

いろいろな通り芯の設定がありますが、今回は柱の列を通り芯に設定します。

柱サイズ、柱同士の間隔から通り芯を決定。

実測準備が整い早速実測をスタート。

当然ですが測ったら図面にします。

通常は建物が建つ前に描きますので、今回は建物があって図面を描くという逆の順序になります。ただ描き方は基本的に同じで、まずは「通り芯(とおりしん)」を決めます。

(通り芯から描くのは自由な空間が作れなくてダメでしょ?とか、通り芯要らなくない?と言う意見もあると思いますが、一級建築士試験の製図でも最初に通り芯を描きますし、今回は古民家の実測という状況なのでお許しを!)

ところで建築関係者じゃないと「通り芯」がなんのこっちゃわからないですよね。辞書的に書くと「建築物の水平・垂直方向における、各階共通の位置を示す基準線」とのことですが、要は柱の列の真ん中の線と思ってください。通常は辞書にあるように、柱は各階の共通の位置にあるので。でもって平面が四角い建物の場合、水平方向、垂直方向それぞれに通り芯があって、その交わる点に柱があると言うわけです。

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そして辞書にあるように、基準線になります。壁の場所なんかも、通り芯から東方向に何ミリとかって図面に描いていくわけです。だから基準が動くものでは困る為、通常は柱の列を通り芯としますし、とても重要な線です。

と、前置きはこれくらいにして、早速、通り芯を決めるための測定を始めます。前述した通り、柱の列を通り芯とするので、二本の柱のサイズと、その間隔を測れば通り芯は決められます。

1箇所測ってみると柱サイズは100mmと102mm、間隔は811mmです。これらの条件通りに図面を描くと、通り芯の間隔は912mmになります。こんな感じです。

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と、こんな感じで図面にすれば良いだけですが、実はそんなに簡単では無いのです。何故か、それは施工誤差と測定誤差、そして経年変化の3点を考慮しなければいけないから。施工誤差は作った時のズレ、測定誤差は実測した時のズレ、経年変化は約100年の中で地震などで部材が変形した事によるズレ、それらのズレ(誤差)を考慮してやる必要があります。

じゃあそれを知るにはどうしたら良いか?

日本家屋に詳しい人なら既にお気づきだと思いますが、通り芯はそもそもきちんと測る必要の無いものなんです!!!

今までの解説はなんだったんだ!って怒られそうですが、ちゃんと測らなくて良い理由を説明しだすと疲れるので、何故測る必要が無いのかは次回書きます。

https://www.tomtoy.site/entry/2019/08/10/022841

今回は出来上がった通り芯だけを描いた図面、その名も通り芯図を載せて終わりにしまーす。

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