富山と言えば?
と聞かれて「ガラス」と答える人はかなりの富山通かもしれませんが、街中には隈研吾さん設計のガラス美術館がありますし、最近までガラス美術館で木梨憲武さんのガラスの作品展示をしていました。
そんなわけで富山はガラスのまちづくりに取り組んでいます。その為にはガラス職人さんが腕を磨いたり、作品を作る場所が必要なわけで、富山ガラス工房という施設がその役目にひと役かっています。
場所は富山の一大動物園、ファミリーパークの裏と言えばほとんどの富山県民の方はお分かりかと思いますが、周りにはいっぱいノボリ(?)もたってます。
丸いドットは一つ一つが異なるガラスです。お洒落ですね。
そんなガラス工房ですが、研究所や個人工房など四つの建物に分かれています。そして真ん中のガラス工房にはショップやカフェがあります。
さて、我が家が今日訪れたのは北端の第2工房。何をしに来たかと言うと、ガラスの作品作りの体験に来たと言うわけです。実は富山ガラス工房さんは季節に合わたガラス作品の製作を体験させてくれるのであります。
今だとお雛様が作れますが、我が家が行ったのは年末なので、鏡餅になります。金箔を入れたり、サンドブラスト(すりガラス加工)をすると+αが必要ですが、1人3100円で小学生から体験可能です。
では当日の流れです。受付を済ませると、まずはどんな色の鏡餅にするかを決めます。色だけではなくて、その色をどんな模様で入れるのか、何種類の色を使うのか、泡も入れることもできたりと、組み合わせは無限にありそうです。
ガラスの色見本の横にある出来上がりサンプルを見ながら、自分のおもちのデザインをスケッチします。
上は次男坊のスケッチですが、右下に小さく「コシノヒスイ」と書いてあり、エメラルドグリーンのチップがスケッチの上に盛られています。実はこのガラス工房では数年前から、オリジナルの色ガラスを開発していて、富山らしい色をいくつか作っていらっしゃいます。その一つがこの「コシノヒスイ」色。富山県北西部の朝日町にはヒスイが取れるヒスイ海岸がありますが、まさにそのヒスイを表現したエメラルドグリーンのガラスになります。
次男坊はそんな裏話を知る由も無いはずですが、自ら選んだあたり、何か惹かれるものがあったんでしょうね…
と、デザインが決まったところで工房に移動します。
工房は10mくらいの吹抜け空間になっていて、真ん中にはガラスを溶かす大きな溶解炉があります。それ以外にも小さな溶解炉があって工房の中はポカポカです。
以降は基本的にスタッフに言われるがまま、作業をしていきます。小学校低学年でもちゃんとサポートしてくれるので大丈夫です。
あれよあれよと言う間に、どんどん鏡餅になっていきます。
水飴のようにウネウネと形を変えながら、段々鏡餅になっていく様子は、見ているだけでも楽しいです。
最後は橙を載せて、葉っぱを付けて完成です。
ちなみに橙はこの段階では真っ黒ですが、冷えるとちゃんと発色するそうです。
そんなこんなで完成した鏡餅ですが、急激に冷やすと割れてしまうので、ゆっくり時間をかけて熱をとっていきます。
徐冷炉と言う箱に入れて、ゆっくり冷まして行くので、完成した姿を拝めないだけでなく、当日の持ち帰りも出来ません。
ちょっと残念ですが、どんな風に完成するか、ドキドキしながら完成を待つのも悪くないです。
と言うわけで数日後、受け取りに行ってきました。(遠方の方は郵送もOKです)
左側が次男坊のコシノヒスイ入りの鏡餅、右側がサンドブラスト仕上げの長男作の鏡餅。
次男坊の方は透明なお餅の中に、綺麗なマーブル模様が素敵です。
長男坊のほうはサンドブラストのお陰で、お餅に似た感じになりつつも、うっすら透明感があってこれまた素敵です。
残念ながら今年の正月には間に合いませんでしたが、来年の正月にはこの2つを素敵に飾りたいものです。
冒頭お伝えした通り、富山ガラス工房では年中何かしらの製作体験が可能です。
ご興味のある方は是非。
では今日はこの辺りで〜