2020/03/05
是正工事
今日は一度敷いた断熱材を取り外します。これをやらなかったらと言って、後々必ずトラブルが出るとも言い切れませんが、念には念を。大工さんごめんなさい!
さて今日は前回の解説から。前回帰り際にある問題に気づきましたが、どんな問題か説明してませんでしたね。
と言うわけで床施工初日に起きた問題を解説します。
まず、今回はネオマフォームと言う断熱材を50ミリ床下に設置しており、設計図の断面図ではこんなイメージになってました。
この図面と現地を見比べてみます。
どおですか?
分かります?
現地はこうなってます。
何が違うかというと、隙間の場所が違います。最初の絵は断熱材の下に隙間がありますが、後の絵は断熱材の上に隙間があります。実はこの「隙間」が今回の問題の種。ただこの隙間、絶対にあってはいけないものか?と言うと判断が分かれる所です。
と言うのもおさらいになりますが、隙間には当然空気があるので、単純に「断熱性能」としては空気層としてカウント出来るのでプラスの要因です。
ところが断熱を考える時に、実はもう一つ気をつける事があります。
それが「内部結露」。聞き慣れない言葉ですが、床や壁の内部の結露の事で、こいつが発生するとかなり厄介です。
窓周りで結露が発生するだけでも、カビが生えたりして厄介なのに、内部結露は「見えない」せいで余計厄介なんです。皆さん冬になる窓の結露を見ますよね?冬の窓だけでは無く、冷たい水を入れたコップに付く水滴も結露なので年中見ていますが…
さて、このコップの結露、放って置くと机がビチャビチャになるのでたまに拭いてやりますよね?これはちゃんと結露が「見えて」気づいたからこそ出来た事です。
ところがどっこいこれが床や壁の中で発生したしたらどうなるでしょう?
「見えない」から気づかない上に、気づいたとしても、コップのように拭き取りに行けません。結果、壁の中に水が残り、色々な悪さを始めます。
と言うわけで、この「内部結露」は断熱工事の中で、意外と気をつける必要がある事なのです。
話を元に戻しますが、空気層がある事は断熱性能としてはメリットになりますが、断熱材と床下地の隙間は、この内部結露を発生させる危険性をはらんでいるのです。
なぜ内部結露が発生するかを解説しだすとまた長くなるので、今回は端折りますね。内部結露を防ぐために、防湿シートを敷いて水分をとったり、ビーズを充填して空気の量を減らしたりと、やれる事はいくつかある事はありますが、一番簡単なのは今回のような密閉されていない空気層を作らない事です。
「密閉されていない」と敢えて書いたのは、複層ガラスなどの空気など、密閉されることで内部結露が発生しないものがあるからです。
と言うわけで、今回はこの断熱材上部の空気層を無くすべく、現場監督さんにやり直しを指示します。
せっかく綺麗に作って頂いたのにすみません。
そんなこんなで、やり直しが決まりましたが、これまた簡単にはいきません。
何故かはお分かりですかね?
10mm何かしらの方法で嵩上げしなきゃ行けないのです。
そもそもそこを図面表現してなかった私が悪いんじゃないかって説もありますが(笑)
というわけで9mmのベニヤ合板を小さく切って、大引の上に留めていく事になりました。9mmにしたのは断熱材が根太より上に飛び出さないようにという理由と、そもそも10mm規格の手ごろな板がなかった事が理由です。
こちらがビフォアアフター。
ちゃんと嵩上げしてもらいました〜
と言うわけで今日はほとんど是正工事で1日使ったので、進展は少ないです。
ではまた次回。