古民家改修平面の決定要因解説シリーズ第三段、神棚と仏壇について。
そんなのもっと後からじゃダメなの?なんて声も聞こえてきそうですが、神棚や仏壇には色々決まりがあって、後から考えるとちょっと「?」な場所になってしまう可能性を秘めています。また仏壇に関して言うと、色んな法事が出来る場所でなければなりません。玄関からの距離や、お坊さんが来る動線なども考える必要があります。また前回の耐震壁でもちらっと触れましたが、仏壇周りの壁や、神棚の壁も耐震壁として利用可能です。そんなこんなで早めに神棚と仏壇の場所は決めておいた方が得策です。
今日はそんな神棚と仏壇について注意すべき点をまとめて、今後の参考にできるようにしておきたいと思います。
2020/02/11
みんなの神棚と仏壇
宗教に特別熱心ではないですが、先祖や、日々の生活への感謝や何かを始める時の気合い注入など、宗教を抜きに考えても、仏様や神様の居場所をきちんと用意して、機会がある事に手を合わせる事は非常に大切だと思います。それは家族だけではなく、家を訪ねてくれた色んな人にとっても。みんなが心穏やかに拝める神棚と仏壇の場所を決めていきます。
では行きます。
<神棚編>
①上も下も通過するべからず
→これは人間も一緒ですね。自分の上や下を頻繁に人が行き来してたら嫌ですもんね。我が家は平屋なので上は気にする必要は無いのですか、二階建の家で神棚が一階にある方は神棚の上に部屋や廊下がないか注意する必要があります。どうしても上が部屋になってしまう場合は「雲」の字を神棚の上の天井に貼ると大丈夫だそうです。
②神様が東か南を向くようにすべし
→ちょっと紛らわしいのですが、神棚の正面が東か南の方角を見るようにしましょう。と言うものです。必然的に神棚を取り付ける壁は西側の壁か北側の壁になりますね。
③人が集まりやすい所
→神棚を置いたからには家族がお祈りできる場所じゃないとダメです。子供部屋や寝室は避けるべきですね。
<仏壇編>
①設置する方角は自由
設置する方角ですが、特に決まりは無いそうです。と言うか各方角毎に、プラスの解釈があるようです。
②人が集まりやすい所
→これは神棚の時も一緒ですね。ただ神棚より仏壇の方が、家族以外の方がお参りする機会が多い気がします。そう言う意味では、神棚より場所が重要かも知れないですね。
さて神棚と仏壇の決まりを個々に書きましたが、同じ部屋に設置した時の注意がいくつかあるようです。それもまとめます。
<同室編>
①神棚と仏壇が向かい合うのはNG
→これはどちらかをお参りしている時に、もう一方にお尻を向ける事になるから。
②上下配置もNG
→仏壇が下の場合、仏様が常に神様に踏まれている事になってしまいます。
③並べる時は左が神棚
→神様の方が上位な為、仏壇より上座に設置しましょうというもの。
無宗派の方は縁の無い話ですし、決まりを守らなかったからといって、何か問題があるわけでは無いのでしょうが、気にしておいて損は無い話かな?とも思いますね。
また冒頭で触れましたが、神事や法事への対応も考慮しなければなりません。なかなか家で神事をする機会は今まで無かったですが、法事は年に一回くらいはあります。参列は基本家族だけですが、それでもお坊さんが2人来て、家族7人が参列すると合計9人。六畳間では狭いですね。だからといって普段から仏間を広く確保するのもスペースとして勿体ないです。
結論として、法事の時は部屋が拡張出来れば良いと言う事になると思います。まさに襖で空間の広さを可変出来る、日本の古民家の特徴がこう言うところに生きてきますね。
と言った感じで条件を整理すると、次の図のような感じでしょうか?(注:右側が北です。)
と言うわけで今日はここまで。