前回のデザイン編に引き続き、今回は材料を調達します。前回のおさらいですが、我が家の表札は「神代杉」と「金屋石(自称)」で作ることに決めました。
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金屋石は家にあるので、神代杉を調達します。さて、ここまで神代杉を解説してこなかったので解説します。実は神代杉と言う名前の植物はありません。植物名は「杉」です。
出典:ウィキペディアより
じゃあなんなのよ!って所ですが「杉」にある加工すると「神代杉」になります。このある加工が実に素敵ですが、なにも人間が加工するのではありません。加工してくれるのは火山灰と時間です。
どう言う事かと言うと、ある日噴火が起きます。そして土石流やら、噴石やらで杉が倒されます。さらに噴煙により火山灰が倒れた杉の上に降り積もります。
そして杉は火山灰と言う布団の中でゆっくりと変化して化石になるのを目指します。でも化石になる前に今度は地震や、洪水、宅地開発など様々な理由で火山灰の布団から無理やり叩き起こされ、人間に発見されます。この人間に発見されたものが神代杉です。なので同じような境遇の桜は神代桜、欅は神代欅と呼びます。灰色がかった色、木目の緻密さ、柔らかく脆いと言った特徴があります。ちなみに「神代」とは紀元前660年の神武天皇(下記の絵の真ん中の人)以前を指すそうなので、定義通り解釈すれば2500年以上前に生きていた杉という事になりますね。とは言え実際には灰に埋もれていた時間の長さや、灰の種類、杉の産地などで品質はバラバラです。価格もピンキリですが、前述の通り発掘されなければ入手出来ない為、ホームセンターとかにはなかなか無いですね。ネットも探しましたが、でかいわ高いわ、真贋も怪しい所です。
出典:ウィキペディアより
と言うわけで近所の木材屋さんに電話です。
私「しもしも〜神代杉で表札作りたいがやけど3センチ厚くらいで30センチ角の板ないけ〜?」
木材屋さん「あるけど柾目で良いがけ?神代杉は柔らかいから表札に向かんぜ?」
私「オーケー!オーケー!」(出川哲朗か!笑)
あまり深く考えず即答してしまいましたが、まずは「柾目」。これは木材の切断方向を表してますね。
まとめるとこんな感じですが、この違いは経年による割れや、くるいが違ってきますし、何より木目の表情が全然違います。と言うわけでこの点を心配された訳ですが、神代杉と言えば緻密な木目が一つの売りなので、柾目の方がその辺りが綺麗に見えます。なので柾目で全然オッケーですね。
さてもう一点心配されたのが木の柔らかさでした。前述した通り神代杉は柔らかいのが特徴の一つです。その為、柔らか過ぎて「彫る」事が非常に困難です。相当切れ味の良い道具を使えば分かりませんが、彫ると神代杉は切断面がボロボロになってしまいます。と言うわけで表札の名前を彫る事が出来ないので、彫らない文字にする必要がありますが、どうしても彫らなければいけない物でもないので、こちらも問題なしですね。
そんなこんなでこちらが我が家にやってきた神代杉。なかなか綺麗な木目と灰色じゃないでしょうか?
価格は3000円。
良い買い物をしました!
さて神代杉を無事調達できたので加工を始めますが、加工編は次回にします!