今日は富山が誇る春の一大観光スポット
雪の大谷について。
雪の大谷がなんなのかわからない人の為にちょっとだけ解説。
駅に良く貼ってある、雪の谷間をバスが走ってるポスター見たこと無いですか?
これが、雪の大谷です。
場所は立山黒部アルペンルート内にあります。
富山平野からも見えるので、このへん!
っていった方が早かったり(笑)
さてこの立山黒部アルペンルートといえば、雪の大谷以外にも、黒四ダムが有名ですが、それ以外にも魅力いっぱいあるので、今日は雪の大谷だけ。
アルペンルートは富山県の立山町と、長野県の大町市を結んでいる観光ルートです。
ルートってなんだ?って感じですが、道ではないけどあらかじめ作られた経路って感じでしょうか?いろんな乗り物を乗り継いで(途中徒歩区間もありますが)目的地に行くことが出来ます。
アルペンルート内には計6個の乗り物が有りますが、富山県側から行けば、最初のケーブルカーと高原バスの2つを乗るだけで、雪の大谷まで行くことが出来ます。
ちなみに、このブログでちょいちょい出てくる富山地方鉄道の立山線の終点が、アルペンルートの富山側の起点、立山駅になります。
なので富山駅から行くことを考えると計3個の乗り物になり、接続や混雑状況にもよりますが、2時間半程度で行くことが出来ます。
さて、2時間半と聞いて遠いじゃねーか!っと思った方。
確かに雪の大谷までは2時間半ですが、先ほどもお伝えしたとおり、アルペンルートには魅力がいっぱいで、私から言わせもらえれば、立山駅からずーっと楽しめます。
なぜか富山県民でも行った事の無い人は意外と多いみたいですが、とても素敵な場所なので行った事が無い人はぜひ。
さて前置きがかなり長くなりましたが、雪の大谷は冬に積もった雪原を、車が通れるように除雪することで現れる谷のため、見れるのは春になってからの4月中旬~6月中旬まで。4月中旬前は除雪前なので入山できませんし、雪なので当然溶けちゃうので6月中ごろが限界かな?で、どれくらいの高さかというと、雪の多かった年は4月中旬で約20m。5階建てのビルくらいになることもあるそうです。今年はほぼ例年通りで4月中旬は16m。我が家が行った先週末5月中旬で13mでした。毎年行っておきながら、今年も圧倒的な迫力(アルペンルートのHPでは「白力」と書いてました。)に感動してきたわけですが、何がすごいかって、僕は人間と自然のコラボレーションだと思っています。
手付かずの自然って言うのは文句なしに素敵なのですが、手のついた自然も魅せ方次第でとても素敵になると思うのです。雪の大谷もしかりで、こうやって垂直に除雪してくれたからこそ出会える景色ですし、そこにバスが通ってはじめて、そのスケールが感じられると思うのです。しかもそれが意図的にされたのではなく、中部山岳国立公園内という条件の中で、自然保護の観点から道路上しか原則除雪が認められていない事、また極力早く除雪を完了させるために垂直に掘らざるを得なかったという明確な理由の中で出来上がっている景色であるわけです。
私たち建築家(私はまだ卵ですが。。。)が自然の中で建物を設計する時にも、自然を壊さないことはもちろんですが、建物があることで廻りの風景や自然がより魅力的に見える。そんな建築を設計したいものであります。
とここまで雪の大谷について書いてきましたが、私自身雪の大谷だけを見るためにわざわざ山の上に行くわけではございません。この雪の大谷のある「室堂」という場所。雪の大谷から一歩外れるとこんな感じです!
ばん!
どおですか?
こんな写真も撮れます!
ばん!
さらにスキーを持ってくる強者もいます。
スキーくらい持てるやろ!って言われそうですが、スキー場じゃないのでリフトはないですよ(笑)自力で登らないと滑れないんです!
若いときは私も行ったことがありますが、Tシャツで絶景の中を滑る経験は何物にも代え難いものです。
と長くなりましたが、本当におすすめの観光スポットです!外国人観光客も増えて人が多いこともありますが、大自然の中ではちっちゃい事です。
では毎度おなじみ雪の大谷に行く時の注意です。
1、天気を見極める。
はっきり言って、晴れの大谷と曇りの大谷では魅力が全然違います。皆さん予定があるのは承知ではありますが、せっかく行くなら天気のいい時を狙ってください。とは言え山の天気は非常に変わりやすく、市内は晴れていたのに山は曇ってるなんて事もあるので、なかなか思い通りにいかないですが、、、
2、防寒着は絶対必須
えーそんな登山用の防寒着なんか無いよー
って言う方も大丈夫。行き先は標高2000超えの山ですが、電車とバスで行けちゃうんです。しかも雪の大谷までも除雪された舗装路を歩くだけ。ダウンとか街の中で真冬に着ていたものがあれば全然大丈夫です。とは言えこの時期ですから太陽が出れば山の上もポカポカです。上半身裸で写真を撮っている観光客もいました(笑)なので防寒着が無駄になる事もしばしば。でも、1でも書きましたが山の天気は本当に変わりやすいです。備えだけは忘れずに!
先日も3時過ぎから一気に曇りました。
3、行く時期によってちょっと注意が必要です。
最初の方に書きましたが、雪の大谷を歩けるのは4月中旬から。
早く行った方が雪が溶けてないので深い谷を経験できますし、積もってから時間がたってないこともあり、綺麗な雪景色を見れますが、当然混んでます。
そこへきて4月末になるとゴールデンウィークを挟みます。
当然混みます。さっき大自然の中じゃそんなの関係ねー!
って言ったじゃねーか!って怒られそうですが、実は混んで困る関門が最初にあるのです。それがこいつ。
立山駅から乗るケーブルカー。
ケーブルカーの定員はなんと120人。構造上20分に1度しか登れ無いため1時間に360人しか高原バス乗り場のある美女平(なんと素敵な名前)駅に行けないわけです。
となると立山駅の混雑を予想するのは容易ですね。
しかも登った人数分だけ山を下りてきます。
帰りも同じです。
今時予約とかないの?って聞かれそうですが、もちろんあります。
ただこれも注意の1で書いた通り、予約したはいいけど天気最悪ってパターンもあるのでなんとも、、、
と言うわけで、とにかく白い景色、高い雪の大谷を体験したい、人混みは耐えられる!と言う方はゴールデンウィーク前に。
人混みは絶対嫌!と言う人はゴールデンウィークを過ぎてから行ってみてはいかがでしょうか?
いやいや、人混みは嫌だし、景色も妥協したくない!と言うこだわり派の方には、少しコストがかかりますが室堂、または弥陀ヶ原での宿泊プランをオススメします。ちゃんとホテルがあります。しかも天候次第ではありますが宿泊プランの場合、夜の雪原に加えて、満点の星空観察まで可能です。残念ながら私は大昔の体験で、最近は泊まっても星空に出会えて無いので写真は無いですが、本当に綺麗です。最悪雪が降ったとしてもそれはそれで翌朝の綺麗な雪原を見れる可能性もあります。昼頃の空いているケーブルカーで登って、昼前の空いているケーブルカーで下山すれば混雑知らずで行けるはずです。
4、ルールをしっかり守ってください。
そんなの当たり前よー!って言われそうですが、特にゴミは絶対持ち帰る。立ち入り禁止エリアには行かない。の2点は特に大事です。
立山は天然記念物の雷鳥がいたり、日本でも数少ない氷河があったら、ラムサール条約の湿地があったり、それ以外にも本当に貴重な自然があります。また、立山は昔地獄として恐れられていました。様々な伝説が残っていて、現代科学では説明がつかない事もいっぱいありますが、有毒ガスが発生していたりと原因がはっきりしているものもあります。それに何より雪山と言う事を忘れてはいけませんね。ゴミは立山の自然を守るため、立ち入り禁止はご自身を守るために守る事をオススメします。
では多分過去最長の文章になったのでこの辺で切り上げます。
ここまで読んで下さった方。
ありがとうございました〜