とやまらいふ

富山にUターンした82年生まれ男子の富山の魅力発信と古民家改修ブログ

解体の秋!

今週のお題「○○の秋」というわけで、我が家はもちろん「解体の秋」です!

売買も完了。所有権移転も完了。火災保険も入ったし、安全祈願も終わりました。

いよいよ見えない部分を見る為にひたすら解体していきます。

 まず最初のターゲットは天井です。

2019/09/15

天井解体 
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今ではコストのかかる貴重な木天井

解体をためらう所ではありますが、

躊躇無く壊すしかありません。

だって100年近く経ってるんです。

構造材の健全性、埃の溜まり具合、有名な黒いもわもわーっていう得体の知れない生物が居るかもしれないじゃん!

早速天井の解体を始めたいと思いますが、古民家は天井に限らず各所が今ではなかなかやらない工法で作られています。

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材料も本物の木を板状に切っており、今これを作ろうと思うとかなりのコストがかかります。

そんな事情を考えると、壊さないでそのまま使う選択肢もありますし、材料だけ再利用、また壊すにしても範囲は最小限にしたいところです。

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と言うわけで壊す前にまずは天井点検口なるものを探します。現代住宅ではこんなやつ↓ですが、古民家はちょっと違います。

我が家では天井の色が違ったり、割付が違ったりと言った場所が点検口になってます。

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まずはこやつらを開けて、脚立を立てて、中を覗きます。

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おおおー

梁が見えます。

太いです。

荒々しいです。

埃まみれです。(笑)

これぞ古民家って感じです!

さて、中が覗けたので、ここで天井をどう料理するか考えなければなりません。

①気にせず壊す!

②このまま使う。(壊れているところは直す)

③材料を替えて再度天井を作る。

この判断をするには、天井が何のためにあるのか?そして天井があることによるメリットとデメリットも無視できません。

と言うわけで天井の有無によるメリット、デメリットをまとめてみました。

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それぞれ解説しますが、あくまで改修での比較になります。新築の場合は少し評価が異なる場合も有るので注意願います。

①温度調整

これは天井有りに軍配です。単純に天井がある場合と無い場合では部屋の大きさ(体積)が違います。部屋の大きさが違うという事は、温度調整をする空気の量(気積っていいます。)が違うのです。1リットルの水と2リットルの水を火に同じ火力の火にかけた時の温まりやすさをイメージして貰えば良いとおもいます。という訳で天井が有った方が温度調整がし易く省エネです。

②設備隠蔽

これも天井有りに軍配です。天井には照明の配線やら空調ダクト、二階がある場合は排水管などがある場合があります。それらを天井を貼れば隠す事が可能です。もちろん天井が無くても、工夫して隠す事もできますが、勝手に隠れた方が楽ちんですね。

③断熱性

これまた天井有りに軍配。特に平屋や最上階では顕著です。というのも天井があった方が屋根からの熱の影響を受けにくいのです。屋根と天井の間には空気があるわけですが、この空気層が断熱効果を発揮してくれます。カフェでホットコーヒーを持ち帰る時に、スリーブ(片面の段ボールみたいなやつ)を付けてくれますよね。まさにあれと同じです。空気層が熱の影響を抑えてくれる訳であります。

④清掃性

これも天井有りに軍配。天井がなくなると埃が溜まる場所がいっぱいです。梁の上や前述した設備配線、設備機器の上などがそうです。ちゃんと掃除をしていないと埃が降ってくるなんて事もありそうですよね。

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地震対策

これは天井の作り方によるので一概には言えませんが、天井無しを優勢としました。というのも地震後の映像で天井が落ちてる写真を見た事が無いでしょうか?一般天井ではあまり無い事ですし、東日本大震災以降対策が進んでいますが、天井が無ければそもそも落ちる物が無いのでちょっと安心です。

⑥開放性

これは文句無しで天井が無い方が良いです!新築であれば建物を高く設計したり、吹抜けを作ったりできるのですが、改修ではそういった事ができません。天井が低くて閉鎖感があるなあ。。。と感じたら天井を取っちゃうのがてっとり早いです。そういえば同じ理由で大学の研究室の天井を取ってめちゃめちゃ怒られた事があったような。(笑)

 

以上天井の有無によるメリット、デメリットを纏めてみました。ここまで読んでお分りだと思いますが、ぶっちゃけ天井を取るメリットなんて機能的にはほとんど無いです。 

じゃあなんで取るのか?それは性能が下がってでも空間の広がりを獲得したいから!

それと今回は実測や、建物の健全性を確認する為の2点。なんと言っても大正時代の建物です。見えないところがどーなっているか確認しないと、後々のトラブルの元です。

と言うわけで、全ての天井を壊すのではなく、改修後をイメージしつつ、実測や点検がしやすい場所の天井を落としていきます。

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さて落とし始めて早々にトラブル発生です。

まずメガネが…

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 見えない…

そして鼻をかんでみると…

鼻水が黒水です…

まー当然と言えば当然なのですが、なめてました。天井には約100年分の埃です。

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と言うわけで急遽ゴーグルとマスクを買いに行き、装着して作業を再開します。約8畳間を解体するころには…

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こんな状況です。

正直ピースしてる場合じゃ無いです。

マスクやばいっす。ってかマスク無しで作業してた時は、どんだけ埃を吸ってたんだ!って感じです。

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とは言え一間ですが解体して天井裏が露わになりました。天井の1番高いところまで、床から7メートル近くあります。

一気に空間が広がりました!

色々不利にはなるけどやっぱり天井が高いって素敵ですよね。

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と言うわけで今日はこの辺で!