ちょっと怖いタイトルでごめんなさい。
今日はちょっと富山平野に住まう皆さんに知っておいて欲しい事、人知れず活躍する人の事を書きたいと思います。
魅力いっぱいの富山平野ですが、実はある人達の努力が無いと約2mもの土砂で埋まってしまう可能性を秘めている事をご存知でしょうか?
この写真でピンと来た方はかなりの富山マニアですね。(笑)
富山で有名なトロッコと言えば、黒部峡谷鉄道のトロッコですが、こいつはそやつではありません。正式名称を立山砂防軌道と言って、砂防工事専用のトロッコです。元々黒部峡谷のトロッコも黒部川の水力発電開発の資材運搬用で、旅客用にも使えるようになったのは昭和に入ってからだそうです。
出典:ウィキペディアより
さて、砂防工事専用と書きましたが、砂防工事って何?って感じですよね。
書き出すと長くなるので、端折ります。
日本は火山の多い国で有名ですが、立山も立派な火山です。現在の活動は穏やかですが、過去に大噴火をしています。その痕跡の1つに立山カルデラと言う窪地があり、そこを源流とする川が富山市の東部を流れる常願寺川になります。
このカルデラと常願寺川ですが、カルデラには大量の土砂が蓄積されており、また常願寺川は日本有数の急流河川として有名です。つまりこのカルデラに蓄えられている土砂の全てが常願寺川に流れ込んだ場合、タイトルにあるように富山平野が約2mの土砂に埋まる可能性があると言うのです。
ただ、ありがたい事にこんなリスクを放って置かないのが我らが日本。国家事業として、なんとしても富山平野に土砂を流さないよう、砂防ダムをはじめとする、沢山の対策をしてくれているのがこの立山砂防事業であります。そして常願寺川に沿って立山カルデラ内部まで資材や人を運んでくれるのが冒頭で紹介した立山砂防軌道であるわけです。
で、この立山砂防軌道、なんとスイッチバックの数が世界一と言う素晴らしい記録?の持ち主でありますが、写真にある通り、起点は前々回のブログで紹介した立山駅の横ににある砂防博物館であります。
その為気付いてる方もいらっしゃるかも知れませんが、立山ケーブルカーに乗ってすぐ、右側に最初のスイッチバック群がちゃんと見れますよ。
写真中央の線路がケーブルカーの線路で、右側黒いのが立山砂防軌道のスイッチバックの部分。今は鉄骨ですが昔は土手だったような…
博物館の中には立山砂防事業として、砂防ダムの仕組みや、砂防軌道の紹介などとても興味深い内容が沢山あります。
閉館は5時ですが、開館は9時半からです。
しかも無料エリアが結構広い。
前々回のブログで紹介した、立山駅の混雑に万が一巻き込まれた時など、時間潰しに如何でしょうか?
ただ富山平野に住まう皆さんに、直接的に関係のある事業です。冬になったら橋や線路を一部雪崩などから守るために取り外し、春になったらまた設置する、工事関係者はずっと山に篭りっきり。などなど人知れず富山平野の為に活躍されている人達の記録がぎっしりです。
最後に冒頭のトロッコですが、砂防博物館に入らず、入口の右側を抜けると博物館裏に写真の車両基地があって、その先のトンネルを抜けると出会えます。
おそらく年中触り放題だと思いますし、常願寺川(この辺りでは川の名称が違うかも…)を横目に景色も綺麗です。一度ゆっくり行ってみてはいかがでしょうか?