とやまらいふ

富山にUターンした82年生まれ男子の富山の魅力発信と古民家改修ブログ

尺貫法についてまとめてみた。

さて、前回の古民家記事より登場した尺貫法。

なんとなくはわかってるし、使わないし、また今度と思い毎日が過ぎていくので、ここらで整理しておきましょう。

2019/05/06

尺貫法をメートル換算する。 

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1尺=303.03030…mm

1寸=30.303030…mm

1分=3.0303030…mm

1厘=0.30303030…mm

1厘×1000=1分×100=1寸×10=1尺ですね。

①尺貫法とはなんぞや?

尺貫法の他にはメートル法とか、ヤードポンド法が有名です。

ヤードはゴルフをやられる方なら良くご存じだと思います。

ポンドは映画007!

いやそれはジェームスボンドか…

 

さて冗談はさておき、要はその国や地方独自の物の量や長さの単位です。そういうのをまとめて「単位系」って呼んでます。

で尺貫法は日本独自の単位系、ヤードポンドはアメリカと、昔はみんなでバラバラの単位系を使っていたというわけです。

私たちに馴染みのある尺は今でも花火の大きさ(三尺玉とか)を表すのに使ってます。

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出典:ウィキペディアより

また、すべての単位ではありませんが、体の一部の大きさを長さの基準にするため、「身体尺」なんて言ったりしますが、まさに「尺」や「寸」などはこの身体尺の代表ですね。

メートル法とはなんぞや?

昔は各国でバラバラの単位を使っていてさほど問題にもならなかったのですが、世の中がグローバル化していく中で、不都合が生じてきます。有名な逸話として、国外の空港で飛行機の燃料の単位換算を間違えた為、燃料が足りず墜落の一歩手前だった事件(ギムリー・グライダー)などがあったようです。そんなこんなで、みんなで単位系を統一しようぜ!という事で今のメートル法が開発されたわけであります。

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出典:ウィキペディアより

ちなみに長さにおけるメートルの基準は地球の大きさが基準になっていて、北極点から赤道までの子午線弧長の1000万分の1が1mと定めたそうです。よく地球1周4万キロなんて言いますが、測らずともそもそものメートル基準がここから来ていたとはちょっと驚きですね。

③尺貫法に関するトリビア

・原則使用禁止です。

まあ当然と言えば当然ですよね。いつまでも使っていたら、また「ギムリーグライダー」のような事故が起きちゃいますもんね。とは言え特定の条件下では使用が認められています。

・当たり前ですが「身体尺」なので諸説ある。

前述の通り体の一部の長さを基準にした長さ「身体尺」なので、人によって長さがまちまちです。例えば「尺」ですが、調べると「手を広げたときの親指の先から中指の先までの長さ」と書いてあります。簡単なので皆さん自分の手で測ってみてください。どんな巨人やねん!って感じです。明治以前は京都と大阪で同じ1尺の長さが違っていたそうです。

また今回初めて登場する「間(けん)」は年貢(昔の税金のようなもので、当時は米を納めてました。)を算出するために使われていました。今でも固定資産税の計算には建物の延床面積が使われていますが、昔も1間あたりいくら。と言った計算をされてました。とすると1間の基準が小さい方が政府や幕府の収入は増えますね。これは前回の畳サイズの変遷にも影響しているようですが、そんなこんなで「間」は時代とともに小さくなってます。

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・「一寸法師」「尺八」「尺取虫」

尺貫法が語源になっている言葉は意外と身の回りにあります。中でも「一寸法師」は誰でも知っている昔話の1つですね。一寸は親指の幅のようです。

これまた現行の30.3mmだとすると巨人の手ですが、そうだとしても一寸法師がいかに小さいかって感じですね。

というか、よく見る一寸法師がお椀に乗ってるやつ。実はお椀も結構小さいんじゃないかって大きさですね。笑

次に「尺八」。楽器の名前ですね。楽器の長さが8尺だから尺八?と思い方ですが一尺八寸だから尺八なんだそうです。紛らわしいわ!

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出典:ウィキペディアより

最後に「尺取虫」。おさらいですが尺は「手を広げたときの親指の先から中指の先までの長さ」でした。あるものの長さ(尺)を測る時に、手を広げては閉じ、広げて閉じという作業をすると何尺か測ることができます。


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この尺を測る事を「尺を取る」なんて言います。その尺を取る手の動きと、虫の動きがそっくりだったので「尺取虫」と言われるようになったそうです。さらに面白いことにこの尺取虫、英語では「inchworm」って言うらしいです。尺の取り方、虫の動きからの発想は世界共通のようですね。

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出典:ウィキペディアより

他にも「寸止め」とか「一寸先は闇」とかもありますね。リアルな数字に置き換えてみると新たな発見があるかも?

以上。今日は直接古民家改修とは関係がないですが、尺貫法についてまとめてみました。

ではまた次回。